●「JISレーザ製品の安全基準」改正
2005/03/11
平成17年1月20日
付けで、
「JISレーザ製品の安全基準」(JIS C 6802:2005)
が改正されました。
今回の主な改正点は、
(1)クラス分け
(2)AEL及びMPEの改訂
(3)クラス分けのための測定
(4)クラス分けの規則における測定上の留意点
(5)製造上の要件
(6)使用者への指針
以上6項目です。中でも特に注意を要するのは、
(1)クラス分け
と
(3)クラス分けのための測定
になると思われます。
今回最も大きな改正点と思われる
クラス分け
について従来は、安全な方からクラス1,2,3A,3B,4の5段階の分類がされ、
クラス3Bまではパワー(エネルギー)等で規定された被ばく放出限界(AEL)が基準値として定められていました。
今回の改正では、
ビーム広がり角の大きなレーザ光(半導体レーザや光ファイバーから出力される光)
や
ビーム径の
大きなレーザ光
で、パワー(エネルギー)密度がMPE以下となるような低クラス分類が追加され、
クラス1,1M,2,2M
,3R,3B,4の7段階
に細分化されました。
新たな
クラス1M,2Mは、ルーペ又は双眼鏡等のレンズ系を使用しないかぎり安全
となるレーザ製品に対して設けられた
クラスであり、今回新たに設定された
特定の測定系を用いて
放射レベルを評価します。ただし適用するAEL表は元の
クラス1,2と共通です。また従来クラス3Aはパワー(エネルギー)とパワー(エネルギー)密度の2重規定でしたが、今回
裸眼での安全性を保証していたパワー密度の制限が外され、名称もクラス3Rと名称が変更になりました。従って
クラス3Rは
クラス1及びクラス2の5倍のパワー(エネルギー)
に対応するパワー規定だけを残したものとなり、従来のクラス3Aに加えて、
パワー密度がMPEを越えるためにクラス3Aから外れる低パワーのクラス3Bを含めたものに相当します。なお
クラス3B及び
クラス4は従来と同じ
です。
次に、
クラス分けのための測定
方法についても改正が行われました。
今回新設された
クラス1M及び2M
は、ルーペ又は双眼鏡等のレンズ系の使用の有無をクラス分けのための判断基準とする
部分があり、これらのクラス分けのために新たな測定基準が設けられました。
条件(1)
平行ビーム出力に対する測定光学系
で、双眼鏡による観察を模して
2mの距離
で、
・アパーレント光の波長 400−1400nmの場合、
直径 50mmの開口
を通過する光パワー(エネルギー)を測定します。
・アパーレント光以外の波長 302.5−400nm及び波長 1400−4000nmの場合、
直径 25mmの開口
を使用します。
・波長範囲 302.5nm未満、4000nm超は適用外です。
条件(2)
発散ビーム(点光源)出力に対する測定光学系
で、ルーペ(焦点距離14mmで倍率18倍に相当)を用いる場合を
想定しています。
・アパーレント光以外のすべての波長域では、
7mmの開口を14mmの位置に離して置き
、そこを通過する
パワーを測定してそのパワーレベルを評価します。
・アパーレント光の波長域では、光源の視角αに依存させて限界開口の距離を14mmから100mmまでと大きくしています。
したがって視角αの大きな分散光源に対しては、広がり角の大きなパワー成分はクラス分けには寄与しなくなると
考えられます。
これら二つの測定条件を用いてクラス分けを行います。
・クラス1レーザは、これら二つの測定条件を用いても測定パワー(エネルギー)がクラス1AEL値を越えないレーザ製品です。
したがってクラス1製品はどのような手持ちの光学機器(双眼鏡やルーペ)を用いても安全といえます。
・クラス1Mレーザは、二つの測定条件の少なくとも
どちらかはクラス1AEL値を越える
が、そのパワーは
クラス3Bの
AEL値以下
であり、
かつ放射露光(放射照度)の測定系(測定距離100mmにおいて開口(どう孔径)直径7mm)
で評価した放射レベルが
クラス1AEL値以下
の場合に該当します。
・クラス2及び2Mについてもパワーレベルは違いますが、基本的な考え方は同じです。
大きな改正点は上記2点ですが、全体的にはビーム広がり角の大きなレーザ光(半導体レーザや光ファイバーから出力される
光)やビーム径の大きなレーザ光を、実際の運用にあったクラス分けで評価しようという動きを感じます。レーザが広い範囲で
利用されるようになってきたことの反映と考えれば、喜ばしい限りです。弊社製品においては、全体的にクラスが低い方へ
緩和される傾向にあるようです。特にライン光源(MLXL,MLXH,MLXK)については、クラス1M,2Mの設定が影響します。
なお
弊社製品の安全クラス
は、当年
(平成17年)4月1日出荷分
より改訂させていただきます。
従来、安全クラス2対応出力などのオプションを選択されているユーザーの方は、新たなクラス分けが
使用に際し影響があるかどうかを再度ご検討下さい。また
詳しい内容については、直接JIS規格を
入手し、それぞれの会社・担当者の責任において運用してください。
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