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 LAST UPDATE 2003/04/10


 ●第4話「次世代DVD(青紫色レーザーDVD)関連情報」
    −23「住友電工が青紫色レーザー用窒化ガリウム基板の量産開始」



 ○世界初の青紫色レーザ用直径2インチ
  低欠陥窒化ガリウム基板の本格量産開始


  2003.4.9 住友電気工業(株) プレスリリース

  住友電気工業(株)は、世界で初めて、直径2インチの窒化ガリウム(GaN)基板の量産を開始しました。
  生産能力は当面月産200枚で、本年10月には月産500枚に増強する予定です。
  窒化ガリウム基板は、Blu-ray Disc規格、AOD規格(※1)などに基づく、次世代大容量光ディスク機器の
  キーデバイスである青紫色レーザを、高出力・高品質かつ安定的に製造するためには必要不可欠な材料です。
  今後、次世代大容量光ディスク機器の需要拡大とともにGaN基板市場の成長が予想され、ガリウムヒ素(GaAs)、
  インジウムリン(InP)に続く当社の化合物半導体事業の第3の柱として育成していきます。

  現在市場が拡大しているDVD機器は、ディスクの情報を読み書きするために光源としてガリウムヒ素(GaAs)を
  用いた赤色レーザが使われていますが、今年度より始まる地上波デジタル放送のHDTV(ハイビジョン)を録画・再生する
  ためには、容量を5倍以上にした次世代大容量光ディスク機器が必要で、その光源には赤色より波長の短い青紫色レーザが
  必須とされています(※2)。

  青紫色レーザは、窒化ガリウム(GaN)のエピタキシャル成長膜(※3)がレーザ光を発振する現象を利用したものです。
  従来はサファイア基板(※4)を用いてその上にGaN発光層をエピタキシャル成長させていましたが、異種材料を
  利用していることから、転位と呼ばれる結晶欠陥が大量に発生し、かつ劈開性(へきかいせい、※5)が悪いため、
  レーザの出力や寿命が伸びず、かつ歩留まりも悪いという大きな問題点がありました。そのため、高品質(低転位、※6)で
  大口径のGaN基板の登場が望まれていました。しかし、世界中でGaN基板の開発が行われていたにも関わらず、
  窒素の分解圧力が大きい為、GaN基板の製造は、非常に困難と言われて来ました。

  当社は、他の化合物半導体(GaAs、InP)で蓄積した結晶成長技術や加工技術を用いて、
  (1) 直径が2インチという大口径で、
  (2) 結晶欠陥(転位)密度が低く(1平方センチメートル当たり10の5乗個以下)、
  (3) レーザの高性能化に重要な、良好な劈開性を有した、
  GaN基板を開発しました。既に国内主要レーザデバイスメーカにサンプル出荷を行っており、その評価の結果、
  高い品質優位性を認めていただいております。また当社での基板製造に関する量産技術も蓄積されてきたことから、
  本年4月より、本格的にGaN基板の量産・販売を開始しました。生産能力は、当面月産200枚で、
  本年10月には、月産500枚に増強する予定です。

  当社は、化合物半導体であるGaAsやInPの開発・製造を長年行って参りました。
  GaAsはCD用近赤外半導体レーザやDVD用赤色半導体レーザに使われており、
  一方InPは光通信用赤外半導体レーザに使われています。当社はGaAs、InPいずれにおいても
  世界トップメーカとして日本のみならず欧米・アジアの顧客100社以上に供給を行っています。
  これらGaAsやInPの開発・製造ノウハウをベースに、1995年よりGaN基板の開発に着手し、
  2000年に直径2インチのGaN基板の開発に成功しました。当社は、このGaN基板をGaAs、
  InPに続く化合物半導体の「第3の柱」として育成していく予定です。  以上

  ※1 Blu−ray、AOD(アドバンスドオプティカルディスク)
     次世代大容量光ディスク機器の規格
  ※2 波長が短い青紫色レーザ(なぜ波長が短いと良いのか)
     「光ディスクの原理図」
  ※3 エピタキシャル成長膜
     下地単結晶基板の上に結晶成長する膜のこと。下地単結晶の結晶方位を受け継いで単結晶として結晶成長します。
  ※4 サファイア基板について
     サファイア基板を使用してGaNをエピタキシャル成長させると、GaNとサファイアの結晶構造の違いから、
     その上に形成されるGaN薄膜に非常に多くの結晶欠陥(転位)が発生してしまいます。
     「サファイア基板上のエピタキシャル成長膜」
     また、
     ・ 劈開性が悪くレーザの品質が上がらない
     ・ サファイアに導電性がないので、電極を片面に作らねばならず、チップのサイズが大きくなってしまう
     という欠点もあります。
     「レーザチップの比較」
  ※5 劈開性について
     レーザデバイスチップの両端面は、レーザ光が反射し合うように設計されており、鏡の様に平坦な表面で
     なければなりません。従って、単結晶基板の端面は、結晶面に沿って、鏡のように平坦に割れる(劈開する)こと
     が理想です。
  ※6 転位密度について
     青紫色レーザに使用される基板の転位欠陥は1平方センチメートル当たり3×10の6乗個以下であることが
     求められますが、サファイア基板を使った場合には、これが実現されておらず、また、GaN基板においても、
     現在、当社の基板以外に実現できておりません。




 ○住友電工、青紫色レーザー用2インチ窒化ガリ基板の量産を事業化

  2003.4.10 日刊工業新聞社 Business Lineより

  住友電気工業は青紫色レーザー用の2インチ窒化ガリウム(GaN)基板の量産を始めた。伊丹製作所(兵庫県)にラインを新設、
  当初月産200枚規模で量産を始め、10月には500枚規模に引き上げる。同基板の事業化着手は世界で初めてという。
  青紫色レーザーは次世代のDVD規格「ブルーレイディスク」のキーデバイス。業界に先駆けた取り組みで今後の主導権確保を狙う。
  青紫レーザー用窒化ガリ基板はガリヒ素やインジウムリンなどの化合物半導体の気相合成技術を応用。結晶欠陥を制御することで、
  輝度や寿命の劣化につながる転移欠陥の密度を1平方センチメートル当たり10の5乗個以下の低転移を実現、商品化した。
  次世代DVDのほか計測や化学変化・合成用紫外線レーザーなど幅広い需要を見込む。
  ハイビジョンの録画・再生には現行DVDの5倍以上の情報記録容量を持つ「ブルーレイディスク」が必要で、
  光源には405ナノメートルと波長の短いGaN半導体が不可欠。
  これまでのGaN半導体はサファイア基板とGaN薄膜のマッチングが悪いため、結晶欠陥が発生し実用には不向きだった。



 ○「結晶欠陥の少なさはどこにも負けない」,住友電工が窒化ガリウム基板の量産を開始

  2003.4.10 NE ONLINEより

  住友電気工業は,直径2インチのGaN(窒化ガリウム)基板の量産を開始した。世界初という。「Blu-ray Disc」や
  「Advanced Optical Disk」に用いる青紫色半導体レーザに向ける。月産200枚で量産出荷を始め,2003年10月には
  月産500枚まで規模を拡大する。基板1枚で約1万個の青紫色半導体レーザを製造できるという・・・
  ・・・「今回の製品における結晶欠陥は1cm2当たり1×104ほど。3×106以下なら一般に実用に耐えるされる」(住友電気工業)。
  量産時の価格については,サファイア基板品に比べて「高いことは間違いない。しかし,青紫色半導体レーザの製造コストとして
  考えれば生産効率を高められるので競争力は十分にある。だからこそ,量産に踏み切った」(同社)という。



 ○住友電工が直径2インチの窒化ガリウム基板を量産

  2003.4.10 日本工業新聞 JIJ Webより

  住友電気工業は9日、世界で初めて直径2インチの窒化ガリウム(GaN)基板の量産を開始したと発表した。
  これまで青紫色レーザーは、サファイア基板上に窒化ガリウムの発光層を成長させる手法で製造されてきた。
  しかし、異種材料を使用するため、結晶の欠陥が多いなどの問題点があった。
  同社の基板を用いれば、基板から発光層まで同一素材となるため、青紫色レーザーの歩留まりが大幅に改善する
  可能性が高い。同社は、次世代光ディスク機器関連で需要が伸びるとみて量産に乗り出す。
  同社の伊丹事業所(兵庫県)で、当面月間200枚生産し、10月には500枚まで増産する計画だ。



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