Laser IroIro
 LAST UPDATE 2002/03/18
 ●「次世代DVD(青紫色レーザーDVD)関連情報」について その3
 家電業界期待の星?次世代光ディスク(青紫色レーザーDVD)=「Blu-ray Disc」の録画規格統一が発表
 されましたが、まだまだ新しい動きがありそうです。新しい情報を随時追加していきますので更新は不定期です。


 ○Calimetrics社の多値記録技術,次世代光ディスクで片面単層60Gバイトを可能に 2002.3.15

 米Calimetrics,Inc.が,同社の多値記録技術(ML Recording)の大容量化ロードマップを発表した。
 CD-R/RWの技術に適用した現行の記録容量が2Gバイトの「ML-CD」以降,4つの大容量化技術を用意する。
 具体的には「ML DVD-7 Super Combo」,「ML DVD-10」,「ML DVD Blue-25」,「ML Blu-ray-60」である。

 「ML DVD-7 Super Combo」は,CD-R/RW装置の大容量化に向けて開発した現行のML信号処理LSIを
 書き込み可能なDVDに流用するもので,通常は4.7Gバイトの記録容量を7.1Gバイトに高められる。
 データ転送速度も1.5倍になるという。「ML DVD-10」では記録容量をさらに10Gバイトまで引き上げる。
 現在は8レベルで多値化しているが12レベルに拡張するという。早ければ2003年内にも同信号処理に
 対応したLSIを開発する見込みである。

 「ML DVD Blue-25」と「ML Blu-ray-60」は,光源に青紫色レーザを使うことでさらに記録容量を
 高めたもの。「ML DVD Blue-25」では,現行のDVDと同じディスク構造,すなわち0.6mm厚の基板を
 2枚張り合わせたディスクを使いながら片面の記録容量を25Gバイトまで高める。
 「ML Blu-ray-60」では,日欧韓のAV機器メーカー9社が2002年2月に合意した「Blu-ray Disc」規格が
 採用した厚さ0.1mmの透明カバー層を備えるディスクと,開口数が0.85の対物レンズを組み合わせる
 光学系を使う。片面単層の記録容量を60Gバイトまで高められるという。

 なお,今回の成果をCalimetrics社は2002年7月7日〜11日に米国ハワイで開催される「ISOM/ODS 2002」
 で発表する予定である。


 ○【CeBIT速報】東芝が100Gバイト超の次世代DVD媒体を初展示 2002.3.14

 東芝は,2002年3月13日〜20日までドイツのハノーバーで開催されている「CeBIT 2002」において,
 両面2層の記録容量を110Gバイトに高めた次世代DVD媒体を見せた。同社は青紫色レーザ光源を使う
 次世代DVDに関して片面単層30Gバイトの技術を提案しているが,今回はこれを両面2層のディスクに
 適用したかたちである。

 記録トラック方式は30Gバイト品と同様にランド・グルーブ構造を採る。今回は2層の記録膜における
 下層からの信号光の減衰を抑えるために従来の30Gバイト品よりも記録マークを若干広げた。
 具体的には記録マークを長さ方向に広げて,片面2層の記録容量を55Gバイトとした。
 現在,記録再生に関する検証を行っており,最短記録マーク長などの詳細なデータは公表していない。
 トラック・ピッチは変えない方向という。

 さらに今回は,次世代DVDに向けたカートリッジも初めて披露した。片面媒体だけでなく,
 前述のような両面媒体にも対応していることが特徴である。カートリッジを裏返して使うことを
 考慮して,カートリッジの表面と裏面で外形に対称性を持たせた。
 外形寸法は現行のDVD-RAMディスク向けとほぼ同等である。シャッタのスライドの方向など,
 機構の詳細については現在検討中とした。このほか,カートリッジなしの可能性を探るための検証も
 進めているという。

 なお同社は片面単層30Gバイトの技術を,近々DVD Forumで始まる次世代DVDに関する技術検討において
 提案していく方向だが,このなかに今回のカートリッジや両面2層媒体の技術も盛り込んでいく予定で
 ある。

 図1:110Gバイトの両面2層ディスクを収めたカートリッジ
 (会場では,動作検証の終えていない,あくまでも開発品であるとしていた)
 図2:片面単層30Gバイトのディスクを収めたカートリッジ

   

 ○「技術的にはここまできている」,東芝が30Gバイトの次世代光ディスク技術を明かす 2002/03/04

 東芝は,光源に青紫色レーザ光を使い,直径12cmのディスク1枚に30Gバイトを記録できる光ディスク
 について技術の詳細を明らかにした。2002年1月8日〜11日に米国ラスベガスで開催された
 「2002 International CES」に出展した光ディスク装置などに用いた技術である。
 青紫色レーザを光源に使う次世代光ディスクでは,2002年2月19日に日欧韓の大手AV機器メーカー9社が
 「Blu-ray Disc」と呼ぶ新規格を発表したほか,同26日にはDVD Forumが,中核17社で構成する幹事会
 (Steering Committee)で次世代DVDについて本格的な検討を開始することを決めている。
 2003年ころの製品化を視野に,各メーカーが活発に動き始めている。

 今回,東芝は記録容量を高めるためにトラック・ピッチを0.29μmに狭めた。ディスクに形成した
 トラックの凸部と凹部の両方に記録するランド・グルーブ方式を用いている。したがって,隣り合う
 グルーブとグルーブの間隔は0.29μmの2倍の0.58μmである。「グルーブ間隔が広いので,明瞭な
 トラッキング・エラー信号が得られる。グルーブのみに記録する場合よりも,プッシュプル方式の
 トラッキング・エラー信号のS/N(信号対雑音比)は10dBほど高かった」(同社)という。将来,さらに
 トラック・ピッチを詰める必要が出てきても,対応しやすいとみる。

 なお,ディスクは波長266nmの紫外光を用いた露光でマスタリングを行った。ランド・トラックと
 グルーブ・トラックの配置は「蚊取り線香タイプ」とした。ランド・グルーブ方式のディスクでは一般に,
 2種類あるトラック配置方法のうち,どちらかが使われる。1周ごとにランドからグルーブ,グルーブから
 ランドと次々に切り替えながらディスク全体で1本の螺旋(らせん)状トラックを作る方法と,
 1本のランド・トラックと1本のグルーブ・トラックを蚊取り線香のようにそれぞれ隣り合うように
 らせん状に形成する方法である。今回はこれらのうち蚊取り線香型を使ったという。
 フォーマット効率は81.6%である。回転制御方式はZCLVとした。

 記録膜はGe-Sb-Te系という。書き換え可能な回数については既に1000回程度を確認済み。
 クロスライトといわれる,隣接トラックへの書き込みによって記録マークが変形する現象についても調べた。
 あるトラックに対して初めに1000回のオーバーライトを行い,次にそのトラックの両隣のトラックに
 それぞれ1000回以上ずつ書き込んだときにも,ビット誤り率が10-4を超えなかった。

 装置やディスクを製造する上での容易さを表すパラメータの1つであるラジアル・チルト・マージンや
 タンジェンシャル・チルト・マージンは,ビット誤り率が10-3で規定したときにそれぞれ±0.6度を超える。
 「ランドとグルーブはそれぞれ熱的な振る舞いが異なる。DVD-RAMのときは,両方を同じにするべくディスクや
 記録膜などに工夫を凝らした。今回は,振る舞いの違いを装置側の制御技術によって吸収することにした。
 回路や制御アルゴリズムで対応できるので,媒体側の負担を軽減できる。具体的には,記録時の
 光出力はもちろん,ライト・ストラテジなどもランドとグルーブで変えることで対応した。
 こうすることで,チルト・マージンを広げることができた」(東芝)という。

 その他の仕様は以下の通りである。まず,1ビット当たりの記録長は0.0986μm。
 信号処理方式はPR(1,2,2,1)ML。記録符号化方式は(1,9)RLLである。チャネル・クロック周波数は65MHz。
 誤り訂正方式はRS-PCで,ブロック長をDVDの32Kバイトから64Kバイトに拡張したものである。
 ちなみにファイル・フォーマットは現行DVDでも使っているUDF。データ転送速度は35Mビット/秒である。
    

 ○関連記事【CES速報】東芝,片面30Gバイトの次世代光ディスクを出展へ 2002/01/07

 東芝は,光源に青紫色レーザを用いてディスク片面単層の記録容量を30Gバイトに高めた次世代光ディスクを開発した。
 2002年1月8日〜11日まで米国ラスベガスで開催される「2002 International CES」に出展する。同社はこれまで
 光ディスク関連の学会などで次世代光ディスクの開発成果を報告してきたが,展示会で公開するのは今回が初めて。
 2000年4月に開催された国際会議「ODS 2001」では,片面単層の記録容量が25Gバイトと28Gバイトのディスクを
 報告済みである。なお,同社は30Gバイトのディスク技術をDVD Forumに今後提案していく計画という。同容量があれば,
 HDTV放送並みの映像を3時間程度録画できる。

 次世代光ディスクについては,オランダRoyal Philips Electronics社とソニーのグループや松下電器産業などが
 片面単層で23Gバイト〜25Gバイトを実現できる技術をすでに提案済み。今回東芝が採用したディスクも基本構造は
 これらと同様で,カバー層厚0.1mmのディスクを開口数が0.85の対物レンズで記録再生する
 (いわゆる「0.1mmカバー層方式」)。光源波長も同じ405nmである。ただし,ディスク片面の記録容量を30Gバイトに
 高めるために,ランド・グルーブ記録とPRML (Partial Response Maximum Likelihood)の信号処理を組み合わせたという。
 記録符号化方式にはRLL (1,9)を採用している。ちなみにファイル・フォーマットは現行DVDでも使っているUDF。
 データ転送速度は35Mビット/秒である。


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