1.画像ラボ2001年11月号 日本工業出版
LAST UPDATE 2002/01/10
各種光学系対応の青紫色半導体レーザーユニット
近年、半導体レーザーの普及にともない、その応用範囲は飛躍的に拡大しつつあります。
中でも、光ファイバーによる高速インターネット環境の充実と、DVDによる大容量記録メディアの
普及は私達の生活そのものを変えていく大きな可能性に満ちています。
現在、光ファイバー用半導体レーザーは主に1500nmの赤外波長を用いています。DVDに
関しては650nmの可視光赤色波長を用いています。今までの方法に比べて格段に早い通信速度や、
大容量の記録媒体である事はすでに皆さんのご存じのとおりです。
一方で、更なる高性能化の要望は尽きることがありません。そのために開発されたのが紫色
半導体レーザーです。
ご存知のように、紫色半導体レーザーは日亜化学工業(徳島県阿南市)が世界に先駆けて開発した
画期的な半導体レーザーダイオードです。当時の開発担当者である中村修二氏が開発、その名を
世界に知らしめた事はまだ記憶に新しいと思います。
現在、日亜化学工業鰍ェ多数の特許関係訴訟を抱えてしまったことも、この技術が画期的である
証かもしれません。
次世代DVD(Digital-Versatile-Disc)光ディスク記録装置に不可欠なキーデバイスである
高出力紫色半導体レーザーは、その量産化も決定され(2002年4月予定)いよいよ私達の前に
その姿を現します。
私共の潟Lコー技研は赤色半導体レーザーの普及初期より赤色レーザー光源等を手がけ、様々な
業界・用途にレーザーユニットを供給してきました。そしてこの度の紫色半導体レーザーの量産化
に伴う低コスト化の流れのなかで、DVD以外も用途にもその波長域における特性による効果が
期待できると考えました。
基本的に赤色半導体レーザーに対して紫色半導体レーザーを用いるメリットは、その波長にあります。
DVDの高密度記録装置に用いられるように、光の直進性は波長が3分の2となれば、光の集光性
も高まり理論値は3分の2まで小さくなると考えられます。
今までの赤色半導体レーザーは最短波長が635nmでした、これに対して紫色半導体レーザーは405nm
を実現しています。
また、光の波長による特性は現在も各界で研究が進められているように未知数です。特に医療関係
では生体に与える波長域毎の特性に高い関心が寄せられています。
このような背景を受けて、私共の会社でも各界の研究用として、また量産を前提とした試作機の
開発用として紫色半導体レーザーの光源ユニットを製造販売しています。現在は紫色のレーザー
ダイオード自体が非常に高価なものですが、来るべき量産を考慮したコストダウンがなされれば、
DVD関連以外の各界でも、その応用範囲は赤色半導体レーザーと同じように拡がって行くと
考えています。上記の医療関連でも、すでに紫色のレーザー光を用いて喉頭癌の早期発見方法が
実用化されています。例えば半導体レーザーの小型軽量化と低価格がこの検査方法の早期拡大に
貢献できればと夢もみてしまいます。
私共の会社では、赤色半導体レーザーの光源装置に携わってきた実績と経験を生かし、紫色
半導体レーザーでも各種の光学系を組み合わせることで、あらゆる産業界での紫色レーザー光を
用いた装置の開発・普及に貢献できればと考えています。ここでは弊社製品の種類を紹介させて
いただきます。
・MLXタイプ
MLXタイプは、弊社半導体レーザーの標準品としてご好評をいただいています。
高精度の非球面レンズによりコリメート光から任意の焦点距離に集光することが可能です。
また半導体レーザーの安定発振のために独自のAPC(自動出力安定回路)を搭載しています。
最近好評なのは、レーザーユニット自体に光軸微調整の機能を持たせたタイプです。半導体
レーザーの光はどうしても固体毎の発光方向のバラツキが出てしまうので、精度を要求する
使用方法では光軸調整機能が不可欠になるのです。
・MLX(405nm)仕様
○型式/MLX−D16−405−5 ○電源電圧/DC4.5〜5.5V
○負荷電流/60〜130mA
○光波長/405nm±5nm ○光出力/約3mW
○パルス制御/立ち上がり遅れ約2ms(TTL入力及オープンコレクター入力)
○コリメーターレンズ/非球面ガラスレンズ
○外形寸法/φ16(+0.1)mm×約53mm(レンズ部可変長) ○本体重量/約15g
*電源はアダプター附属のAC100Vタイプもあります(型式:MLX-A16-405-5)
・MLXLタイプ
MLXLタイプは、MLXタイプの仕様にライン光(スリット光)のための光学系を付加した
製品です。ライン光を利用する場合も、一旦レーザー光を集光するため非球面レンズの性能が
大きく左右します。画像処理関連では、このレンズの性能が装置の性能を決定してしまうほど
重要です。
・MLXL光学系仕様
○焦点可変範囲/50mm〜平行光 ○光出射効率/LD出力に対して約70%(LD依存)
○コリメーターレンズ/非球面ガラスレンズ ○レンズF/f=9mm
○ラインレンズ/ロッドガラスレンズ
○ライン長/照射距離100cm ショートライン設定時約50cm ロングライン設定時約150cm
・MLXCタイプ
MLXCタイプは、MLXLタイプが1本線のラインであるのに対してクロス(十文字)の
ライン光のための光学系を付加しています。レーザー光を位置指示用として用いる場合、
クロスのライン光はその中心位置を示すのに有効です。さらにクラスラインの交差角度の
精度を上げたタイプも別に製造しています。
・MLXC光学系仕様
○焦点可変範囲/50mm〜平行光 ○光出射効率/LD出力に対して約65%(LD依存)
○コリメーターレンズ/非球面ガラスレンズ ○レンズF/f=9mm
○クロスラインレンズ/シリンドリカルガラスレンズ
○ライン長/照射距離100cm 縦ライン約20cm 横ライン約20cm
・MLXGタイプ
ミクロンポイントMLXGタイプは、十数μmのスポット径を高輝度近距離にて達成した
レーザー光源です。特に精密な位置合わせや画像・計測処理に最適です。
・MLXG光学系仕様
○光出射効率/LD出力に対して約75%(LD依存)
○集光レンズ/ガラス組レンズ
※当製品は、セミオーダー方式の製造方法を採用しています。レーザーヘッドからの
照射距離及び希望するライン光の長さをご発注時にお伝え下さい。
ただしLDの種類によってはご希望に添えない場合もありますのでご了承下さい。
・MLXHタイプ
ミクロンラインレーザーMLXHタイプは、十数μmのライン幅を高輝度近距離にて達成した
レーザー光源です。特に精密な位置合わせや画像計測処理に適しています。
・MLXH光学系仕様
○光出射効率/LD出力に対して約75%(LD依存)
○集光レンズ/ガラス組レンズ
※当製品は、セミオーダー方式の製造方法を採用しています。レーザーヘッドからの
照射距離及び希望するライン光の長さをご発注時にお伝え下さい。
ただしLDの種類によってはご希望に添えない場合もありますのでご了承下さい。
・MLXKタイプ
輝度均一ラインレーザーMLXKタイプは、従来のレーザーライン光源で問題となっていた
ライン光の中心部と両端部の輝度・エネルギー分布差を、より均一に近づけたレーザーライン
光源です。
・MLXH光学系仕様
○光出射効率/LD出力に対して約30〜50%(LD依存)
○コリメーターレンズ/非球面ガラスレンズ
○ラインレンズ/ロッドガラスレンズ
※当製品は、セミオーダー方式の製造方法を採用しています。レーザーヘッドからの
照射距離及び希望するライン光の長さをご発注時にお伝え下さい。
ただしLDの種類によってはご希望に添えない場合もありますのでご了承下さい。
・MLXBタイプ
MLXBタイプ(遠距離用)は、各種半導体レーザー素子の特性を考慮し最適な状態で安定
発振するように設計されたレーザーユニットです。照射距離100m以上でもレーザー光の
拡散が最少となるよう光学設計されています。
・MLXB光学系仕様
○焦点可変範囲/2m〜200m
○光出射効率/LD出力に対して約25%(LD依存)
○コリメーターレンズ/専用ガラスレンズ
○出射口径/φ18mm又はφ12mm(マスク付)
○スポット径/φ15mm(距離200m)
以上のように私共の会社では、紫色半導体レーザーの発振だけでなく、様々な業界や使い方に
対応できる様各種光学系の異なるタイプも製造しています。今後ますます利用範囲の拡大して
行くであろう赤色半導体レーザーと共に、紫色半導体レーザーが様々な分野で利用される日も
近いと考えています。
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